1/24の日経新聞電子版の記事www.nikkei.com
を見ました。
有料記事で途中で切れているけど、かいつまんで書くと、こんな感じ。
A社が持つ特許が、B社が勝手に自社の製品に使っているじゃないの?と思っても、証拠を見つけるのが難しい。最近はプログラムで実装したり、FPGAの中に書き込んだりで、簡単には見つからないし、見つけるには時間もコストもかかる。
だから、A社によっぽと体力があって、かつ、確信がなければ、侵害立証は行なわず「泣き寝入り」になる。
そこで新しい制度を法制化し、裁判所の選んだ中立的立場の専門家が、B社を調べるようにできる。
ただし、なんでもガサ入れするのではなく、事情が明確な案件に絞り、内容も当該の特許事案に絞る。
既に欧米ではそういう制度が整っているので、それに合わせる形である。
第一線(たぶん)の開発エンジニアの立場から言うと、「やっとですか」という感じですかね。
私がエンジニアになった時点(かなり前)で、特許とは、
技術の進歩発展に貢献できる内容を開示する。その見返りに独占して使う権利をいただく。
がスタンスだったです。だから特許は技術文書としても成り立っていなければならなくて、自分もよその特許を技術文書として読んで勉強させてもらったし、技術文献としての特許を出願してきました。
実は特許の細目分類(IPCとか)で、「この分類項目の代表特許は、〇〇」というのも提示されていて、いくつかの分類に自分の特許が挙げられています。「そのジャンルにおいては、第一人者である」というお墨付きのようなものですね。
大学関係者などの研究者から見ると「論文が全てで、特許なんか技術文書じゃない」という感じかもしれません。
しかし、企業のエンジニアとしては、製品のリリースの都合などが優先されるので論文を出せない場合も多いし、結局は自身の技術の価値のありどころは特許として残すしかないわけなんです。
ですが、最近の流れでは、「侵害が立証できないような特許は、出してもパクられるだけなので出すな」、「新規性、進歩性があれば、それでよい。読む人のことなんか考えるな」となってしまっています。
ただ、今でも、きちんとして技術文書として読める特許を出してくるメーカーの人もおり、企業間で温度差は大きいかなと思います。
今回の法制化で、特許がまた、技術文書としての立ち位置を復活してくれるといいなあと思っています。
以上は、あくまでも私個人の意見であり、所属する団体とは関係ありません(と書くのが「お約束」みたいなので)。